C.W.ニコル 「勇魚」を読む

先月亡くなった環境保護活動家で作家のC.W.ニコルの「勇魚」幕末の紀州太地を舞台に、鯨獲りの青年甚助の壮絶な半生を描いた物語である。まだ若かりし頃、夫が貸してくれた思い出深い本である。何十年振りかに読み返してみると、若い頃とはまた違った捉え方や感覚を覚え新鮮でもある。それにしても長編を読むにはエネルギーが要る。なにより根気が続かなくなった。一気読みなどもう無理がきかない年齢になったということだろうか。