丹吉針は世界に名だたる釣り針の一流ブランドで、その歴史は古く2010年の日本経済新聞社「200年企業」に四国で唯一掲載された土佐の老舗である。刀鍛冶の技術を生かし土佐の銘品と呼ばれた釣り針を作り上げ子孫は代々丹吉の名を世襲したという。また四代目廣瀬丹吉は坂本龍馬と親交が深かったことでも知られる。当ブログでは昨年6月に「丹吉のうなぎ針」と題して記事を書いた経緯がある。釣り針は油紙に包まれ高価なため1本ずつのバラ売りであった。包装紙に老舗の矜持や誇り、気概といったものがうかがえる興味深い一文がある。「老舗ノ商標偽造セシ者高知地方裁判所ニ於テ既ニ四名迄軽禁錮ニ處ラレシ」商人として職人として守り抜く伝統の証しを知るにつけ、販売する側の立場として胸襟を正し価値の分かる方に永く大切に使っていただきたいと願うのである。